ムシュー・ドゥマニ [ Cyprus / キプロス共和国]
(c) Ivan Charalambous
伝統のうねりとビートのざわめき。音のグリーンラインを越えて——Monsieur Doumani再上陸!
東地中海に浮かぶキプロスから、唯一無二のトリオ・バンド、Monsieur Doumaniがふたたび日本へやってくる。
2011年、首都ニコシアで結成された彼らは、複雑な歴史と多層的な文化が交差するこの島の空気をまとい、伝統音楽をベースにロック、エレクトロニカ、ヒップホップなどを溶かし込んだ独自の音世界を築いてきた。ジュラと呼ばれるキプロスの伝統弦楽器を操るアントニス・アントニウを中心に、フルートやトロンボーンのディミトリス・イアセミデス、ギターとループのアンディス・スコルディスが加わり、哀愁と高揚、影と光が交錯するサウンドが生まれる。彼らの音には、ビザンティン聖歌の音階、トルコ/アラブの旋法マカーム、地中海の民謡や舞曲のリズムが混ざり合い、南北分断の象徴でもある“グリーンライン”を超えて、歴史や文化を音でつなごうとする意志が宿っている。
2021年のアルバム『Pissourin(完全な暗闇)』では混迷するキプロス社会を力強く照らし出し、欧州の各メディアから絶賛を浴びた。
Eurosonic Noorderslag(ESNS)、TRANS MUSICALES、WOMEX、など欧州を代表するビッグフェスにも多数出演し、そのライブ・パフォーマンスは高い評価を獲得。
2022年にはスキヤキの招聘で初来日を果たし、富山、東京、沖縄で観客を総立ちにさせた。再来日となる今回は、より進化したMonsieur Doumaniの“今”を目撃するまたとない機会。
彼らの音に耳を澄ませばアフロディーテが微笑んだ島の風景と、そこに流れる記憶と希望のメロディが、静かに、力強く立ち上がる。
●ガーデンステージ